L.E.T.の発案者トーマス・ゴードン博士とゴードン・モデルについて
ゴードン博士は、コミュニケーション・スキルと対立解決法を親、教師、若者、企業・組織のマネジャーや従業員向けに教えた、コミュニケーション能力開発のパイオニアです。Gordon Training International(ゴードン・トレーニング・インターナショナル社)の創設者で、臨床心理学者です。米国心理学会、米国平和財団、ヒューマニスティック心理学協会のメンバー、および前カリフォルニア心理学協会の理事長。
1997年、1998年、1999年にノーベル賞候補にノミネートされました。1999年には、心理学を広く一般に普及させたことを認められ、米国心理学財団よりゴールド・メダル・アワードを受賞。2000年には、カリフォルニア心理学協会よりライフタイム・アチーブメント・アワードを受賞しました。2002年他界。
出版図書(28ヶ国語に翻訳され、600万部以上の売上げ)
1. Group-Centered Leadership
2. Parent Effectiveness Training (P.E.T.)
3. Leader Effectiveness Training (L.E.T.)
4. Teacher Effectiveness Training (T.E.T.)
5. Parent Effectiveness Training in Action
6. Discipline That Works
7. Sales Effectiveness Training (co-authored with Carl Zaiss)
8. Making The Patient Your Partner (co-authored with W. Sterling Edwards, M.D.)
9. Good Relationships; What Makes Them, What Breaks Them (co-authored with Noel Burch)
The Parent Effectiveness Training (P.E.T.) courseとTeacher Effectiveness Training (T.E.T.) courseについて
1962年に紹介されてから、世界43カ国で行なわれています。日本では、親業訓練協会が1980年に設立され、親業訓練講座としてP.E.T.コースを、教師学講座としてT.E.T.コースを日本全国で提供しています。
ゴードン・モデルの起源について
ゴードン・モデルは、問題自体は人びとが生来的に持っているものではなく、人間関係の中で発生してくる―――つまり、お互いのコミュニケーションの方法によって起こる―――という気づきから始まりました。ゴードン博士は、リーダー/従業員の関係を改善した同じスキルが、多少の変更を加えれば親と子の関係にも充分応用できることを経験しました。この新しいアイデアで、子育てトレーニング・プログラムを開発しました。
この子育てトレーニング・プログラムでは、親にどうやって子供を育てたらよいのか、子供をしつけるための方法は一切指示しませんでした。ゴードン博士が行なったことは、コミュニケーションと問題解決スキル、およびそれらをいつ、どのように使うかということだけを教えたのです。コミュニケーション・スキルは『アクティブ・リスニング』、問題解決スキルは『勝負なし対立解決法』と呼び、親が子供とコミュニケーションを図る方法をすっかり変えてしまうものです。これらのスキルをいつ、どのように使うかに関しては、『行動の窓』というモデルを使って説明しています。
アクティブ・リスニングとは・・・
相手が話している内容を理解し、相手に理解した内容を返していくリスニングの技法のことです。アクティブ・リスニングを行なうことで、相手は自分のメッセージが理解されたことを確認できます。もし理解していなくても、相手はそれを正す機会を得ることができます。一番重要なのは、このアクティブ・リスニングは、あなたが相手の考えや感情を受容していることを伝えるものであるということです。
行動の窓とは・・・
すべての人間関係において問題が起きないことは皆無です。ゴードン博士は、グラフィック・ツールを用いて、これらの問題を正確に把握する方法―――誰が問題を所有しているのか、そして、どのように解決するのか―――を提供しました。このグラフィック・ツールのことを『行動の窓』と呼びました。『行動の窓』を使って、どのコミュニケーション・スキルをいつ、どのように使ったらよいかが理解できます。これを理解することで、人の性格タイプを理解しようとか、懲罰を与えようとか、不必要なことを回避することができます。
1962年に最初のParent Effectiveness Trainingのクラスをカリフォルニア州パサデナで開催しました。14名の親たちが受講しました。この時、モデルはまだ未完成でした。受講者は子供が問題を持っている時、アクティブ・リスニングをし、勝負なし対立解決法を用いて問題を解決しました。しかし、まだ問題が残ることがあると報告を受けました。ゴードン博士は考えた末、『I-メッセージ』というツールを考案しました。
親たちは急激に子供たちとの関係を改善することができ、いつでも親子のニーズが満たされるようになったのです。このモデルは完成しました。厳しすぎることなく、弱すぎることなく、自然のままで親子関係が改善するのです。このコースに参加した親たちの反響が全米に広がり、更には全世界に広まったのです。家族関係に顕著な変化をもたらしたのです。1970年には、P.E.T.の本が出版され、以来、ゴードン・モデルは米国内外で紹介されました。
T.E.T.とL.E.T.について
ゴードン・モデルを習得した親たちは、暫くすると教室で使える教師向けのモデルはないかと訊いてきました。子供たちに接する新しい方法を身につけた親たちは、学校でも同様な扱いを子供たちは受けるべきだと感じたのです。
ゴードン博士は、P.E.T.のモデルを学校の教室においても適用できるようにしました。ノエル・バーチ氏(Noel Burch)の支援を受け、ゴードン博士はTeacher Effectiveness Trainingを開発しました。バーチ氏は、P.E.T.のインストラクターであり、教師および学校におけるアドミニストレーターの経験も持っていました。T.E.T.は、教師たちが自分が得意とすることに能力を発揮できるよう―――教えること―――教室での生徒たちの行動に影響を与える方法を教えました。ゴードン博士は、クラスルーム・マネジメント・セオリストの第一人者になりました。
ゴードン博士は、自分のリーダーシップのルーツに立ち返り、マネジャーのためのL.E.T.プログラムを完成させることに従事しました。L.E.T.はマネジャーとスーパーバイザーに従業員参加型問題解決、意思決定、生産的対立解決を実行するためのモデルを提供しました。
人間関係のユニバーサル・モデル
今日、ゴードン・モデルの起源は、職場、ファミリー、学校のためにデザインされたGTI社のコースすべての主軸になっています。モデルの秘密は、親子、教師と生徒、マネジャーと従業員すべての人のニーズに配慮している点です。
The Leader Effectiveness Training (L.E.T.) programについて
これまでに全世界で1,000以上の企業がL.E.T.プログラムを採用し、効果的なコミュニケーション・スキルと対立解決法を企業の管理職に習得させてきました。ゴードン博士は、民主的で協力的なリーダーシップ・モデルの開発者として広く認知されています。日本では、2005年4月にセカンド・ウィンド株式会社が日本でL.E.T.プログラムを提供する教育機関としてGTI社とライセンシング契約を締結しました。L.E.T.ワークショップは、2005年8月よりスタートいたします。
GTI社で一番力を入れているのは、Leader Effectiveness Training (L.E.T.)プログラムです。3日間のインテンシブ・コースです。参加者はリーダーとして成功者になるために、実証済みの人間関係スキルを学びます。
人間関係の問題にかかる実際のコスト
ビジネスを運営する上でかかる経費として、従業員が病欠あるいは全力で働いていないため起こる『生産的でない時間』があげられます。離職率が高いため、継続的に新入社員を雇ってトレーニングするコスト、健康保険の保険料の上昇などもビジネスをする上での経費です。これらのコストは従業員がほとんど参加する機会のない上下関係のある組織においては避けられない人間関係の問題に関係しているのです。
このような人間関係の問題がどれだけ高くつくかは、以下の事例から想像がつきます。
*権威主義的な管理、強制、従業員同士のインタラクションの欠落は、職場でのストレスの原因である(Convoke、2003年8月)。
*会社を休む人の60%はストレスが原因である。独裁的な管理体制の組織であれば、この欠勤コストが更に上昇する可能性が高い(Chrysalis、2003年1月)。
*伝統的な上下関係の組織で働く従業員の86%は、その企業文化に対処するために、仕事の質を下げている(Linda Duxbury, Carleton University School of Business)。
*『コロンビア・シャトルが破壊され、乗組員が死亡したのは、翼に穴を開けた泡のかたまり以上に管理職の失敗が原因である。』(New York Times、2003年7月)
あなたの会社はいくらぐらい、このような人間関係の問題に使っているか考えたことはありますか?
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